2026年8月26日 ベルリン ― The Document Foundationは本日、自由でオープンソースのオフィススイートの最新メジャーリリースであるLibreOffice 26.8を、Windows、macOS、Linux向けにリリースしたことを発表しました。本リリースの開発は2025年12月に開始され、206名の貢献者(うちボランティアは155名)による成果がまとめられています。 LibreOffice 26.8が重点を置く領域は3つあります。LibreOfficeが生成する文書の組版品質、正しく扱える文字体系の範囲、そして他のオフィススイートとの間での文書交換における相互運用性です。 文字体系 本リリースにおいて、もっとも大きな取り組みは、双方向テキストおよび複合文字言語への対応です。Writerは、文書やプレーンテキストを開いたり貼り付けたりした際に、段落の方向を自動的に検出するようになりました。行が折り返される際、行末の空白の位置も、隣の文字の向きではなく段落全体の書字方向に従うようになっています。 オブジェクトのサイズ変更ハンドルは、右書き(RTL)文書や縦書きのCJK文書でも正しく動作します。双方向制御文字も、他の書式記号とともに表示されるようになりました。 Calcでは、空のセルに右から左へ書くテキスト(RTL)を入力すると、そのセルの文字の方向が自動的にRTLへ設定されます。 これに合わせて、Writerでは配置ルールも見直されました。新規文書では、既定値が「左」ではなく「先頭(start)」揃えとなり、段落の方向を変更しても、明示的に左揃えまたは右揃えに設定された段落が反転しなくなりました。 Mathには、西アフリカのマンデ諸語やフラ語で使われるンコ文字(N’Ko)およびアドラム文字(Adlam)向けの名前付き関数・演算子が追加されたほか、右から左へ書く(RTL)数式向けの左向きベクトルとハーポン記号も加わりました。 テキストグリッドの「文字の罫線に正方形のマスを使用する(原稿用紙モード)」オプションは、より簡潔に「原稿用紙モードを使う」という名称に変更されました。 インターフェースの言語とは異なる言語で表記されたフォント名も、認識されるようになりました。これにより、他の言語環境で作成された文書でも、作成者が意図したとおりの書体で表示されます。 これらの作業には、商業的に成り立つだけの市場がありません。それでも実現したのは、それらの言語への対応が採算に見合うかどうかを、財団が気にする必要がないからです。 組版 Writerには、連続する行にわたって単語間隔のバランスを取る新しいテキストレイアウトアルゴリズム「段落コンポーザー」が導入されました。これは各行を個別に最適化するのではなく、複数行を考慮して処理します。ワープロソフトで使われてきた1行ずつの処理方式は、この技術が存在して以来ずっと標準とされてきましたが、改行付近に長い単語がある場合、詰まった行とまばらな行が交互に現れる両端揃えテキストを生み出してしまいます。 OpenTypeバリアブルフォントにネイティブ対応し、可変フォントをデザインどおりに使用できるようになりました。これにより、文字サイズに応じて字形の線の太さやバランスを自動調整するといった機能も使えます。 ベースライングリッドに沿った枠内テキストの行間隔が、正しく計算されるようになりました。また、新しい「罫線の表示」オプションで、編集中にグリッドを表示できるようになり、色も設定可能です。 文書の相互運用 LibreOfficeのグラフ機能は、Microsoft OfficeがOOXMLファイルに書き込む新しいグラフの種類(箱ひげ図、じょうごグラフ、パレート図、サンバースト図、ツリーマップ、ウォーターフォール図)について、基本的な往復対応を提供します。これらのグラフは、まだ描画も編集もできません。LibreOfficeは対応していない種類であることを示すメッセージを表示し、内部の定義情報は保持します。そのため、LibreOfficeで開いて保存したファイルも、元のアプリケーションでは元通りに開けます。マップグラフには広範な地理データが含まれますが、これは保持されません。グラフの種類自体は往復の過程で維持されますが、その中身の大部分は失われます。 この違いは重要です。あるベンダーが一方的に仕様を拡張すると、他のすべてのベンダーにとって、その仕様は絶えず動き続ける標的になります。まだ描画できないものであっても保持しておくという原則こそが、文書を、それを作成したアプリケーションの寿命を超えて使い続けられるものにします。 Calcでは、XLSXファイル内の参照先セルにおける改行の扱いが改善されました。また、XLSX文書のフォームコントロール要素が、ナビゲーターに表示されるようになりました。 表計算 Calcには、ピボットテーブルに集計フィールドが追加されました。 データの入力規則では、無効な入力を通知なしに拒否できるようになり、バージョン24.2以前の挙動が復元されました。 セルスタイルは相対フォントサイズに対応しました。 シャッフルコマンドは、範囲内のセルの順序をランダムに並べ替えます。 罫線ツールバーボタンは、直前に使用したスタイルを記憶し、再適用します。 プレゼンテーションと図形描画 ImpressとDrawは、1つの文書内で複数のページサイズに対応するようになりました。 Impressには、スライドを名前付きグループに整理する「プレゼンテーションセクション」機能が追加され、パネル内でスライド番号の横にカスタムスライド名が表示されるようになり、番号付きリストを箇条書きリストに変換できるようになりました。 いくつかの組み込みテンプレートは、16:9と4:3の両方の比率で提供されるようになり、比率を変更しても背景アートワークが引き伸ばされなくなりました。 Drawでは、マウスホイールの機能を入れ替えて、ズームを既定の動作にできるようになりました。 ユーザーインターフェース ノートブックバーには、アプリケーションごとに異なる背景色が付くようになり、Writer、Calc、Impress、Drawを一目で見分けられるようになりました。 タブにはカテゴリーラベルが付き、マウスホイールやタッチパッドでスクロールできます。 アプリケーションテーマの色を変更しても、再起動が不要になり、Impressのノートブックバーからテーマの色にアクセスできるようになりました。 スタイル一覧は、ノートブックバー、書式設定ツールバー、サイドバーのどこで表示されても同じ内容になり、各項目はそのスタイル自体のプレビューとして表示されます。 スタイルダイアログでは、個々のプロパティを親スタイルの値にリセットできます。 ページ設定に、A0からB3までの用紙サイズが追加されました。 カスタム辞書に検索フィルターが追加され、ハイパーリンクダイアログではアドレスからクエリ文字列を除去できるようになり、Windowsのサイズ変更可能なダイアログに最大化ボタンが付きました。 macOSでは、絵文字と記号、口述入力、自動入力のメニュー項目が利用できるようになりました。 アクセシビリティ Writerの表は、ARIA仕様に定められた行・列のインデックス情報を通知するようになり、スクリーンリーダーが表の構造をより正確に伝えられるようになりました。 特殊文字セレクターは、キーボードだけで完全に操作できるようになりました。
