「LibreOffice Kaigi 2021 オンライン」を開催しました
2021年6月12日(土)に「LibreOffice Kaigi 2021 オンライン」(参加登録ページ)を開催しました。「LibreOffice Kaigi」は日本で年に1回の集まりです。2020年は3月に大阪で予定していましたが、COVID-19の影響で開催できませんでした。今年は初のオンライン開催で、Jitsi meetにスピーカーや参加者が参加し、YouTube Liveにも中継する方式で行いました。最大接続数は両方あわせて27名程度でした。
The Document Foundationとアイクラフト株式会社にスポンサーしていただきました。ありがとうございました。
当日の様子はYouTubeのアーカイブで見ることができます。スライドはTDF Wikiで公開しています。
基調講演では、LibreOfficeのインドネシアコミュニティをリードするAhmad Harisから、インドネシアでの活動について紹介がありました。インドネシアは多くの島々が広範囲に渡って散らばっていて、ロンドンからバグダッドに相当するそうです。言語は718もあり、方言のようなものも別言語として数えているようですがすごい数です。2018年に開催されたインドネシアのローカルでのLibreOffice Conferenceは成功し、コミュニティは活発とのことです。現在LibreOfficeインドネシアのテレグラムグループには795名の参加者がいます。翻訳はUI、次にHelpに注力しているそうです。QAイベントなどもIlmariの協力などで開催され、大学でのワークショップも行ったそうです。スプラッシュスクリーンでの貢献もありました。最近ではテンプレートでの貢献も多くLibreOfficeに同梱されているものもあります。出来の良さで評判だったLibreOffice 7.0紹介動画もインドネシアコミュニティで作成し、作曲はHarisがしたそうです。インドネシアにはJava Island(ジャワ島)があり、JavaやJavaScriptはプログラム言語じゃなくて、ジャワの言葉だよというお話があり、その様子が2600件以上リツイートされていました。
榎からは昨年のLibreOfficeコミュニティを年次報告書(Annual report)で振り返りました。公募発表では、河野さんから「LibreOffice を使ったユーザカスタマイズ可能なWeb帳票発行システム」、案浦さんか「LibreOfficeのNeo4jネイティブドライバを作ってみる」、渡邉さんから「ライトユーザー視点から見た台湾のLibreOfficeとODFの周辺」、目黒さんから「LibreOffice Guideを高速翻訳しました」のお話がありました。
台湾のLibreOffice/ODF導入状況については、台湾コミュニティのリーダーであるFranklin Wengが、LibreOffice Kaigi 2016.12 で紹介してくれたことがあります。渡邉さんは、それとは別の切り口で調査し論文を書かれています。台湾コミュニティとは違った視点で、台湾政府が本格的に取り組んでいる状況と、大学での実際の様子について紹介され、興味深いものでした。
ライトニングトークは飛び入りを含めて3件あり、その後の全体Q&Aでは、日本ではなぜオープンソースソフトウェアやLibreOfficeの普及に何が必要か、どんな機会があるのかという議論で盛り上がりました。
LibreOfficeコミュニティでは、毎週水曜日の夜にオンラインでLibreOfficeの作業や情報交換を行う「LibreOffice Hackfest Online」を、3-4ヶ月に1回ユーザー同士のノウハウを交換する「オンライン勉強会(次回9/4予定)」を開催しています。Connpassをチェックして興味を持たれたイベントにご参加ください。
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