Monthly Archive:: August 2024

「LibreOffice Kaigi 2024オンライン」を開催しました

2024年6月29日(土)に日本での年次会議「LibreOffice Kaigi 2024オンライン」を開催しました。遅くなりましたがイベントの様子を報告します。LibreOfficeの日本語コミュニティでは、毎年1回LibreOfficeのユーザーやコミュニティーメンバー、LibreOfficeに興味がある人が集まるLibreOffice Kaigiを開催しています。今年もJitsi meetとYoutube Liveを利用したオンライン開催で、参加者は合わせて22名でした。また、The Document Foundationアイクラフト株式会社にスポンサーいただきました。ありがとうございました。

全部で6本の講演がありました。当日の動画や資料を公開していますので、見逃された方や復習される方はご覧ください。

基調講演は、台湾のFranklin Wengでした。フランクリンは、LibreOfficeのグローバルコミュニティで活動し、台湾のLibreOfficeコミュニティやLibreOffice Asia Conferenceのリーダーであり、LibreOffice以外のFLOSS活動もされています。タイトルは「パブリック・マネー、パブリック・コード -それは何か、そしてなぜ私たちの政府がそれを採用する必要があるのか-」で、PMPC(パブリック・マネー、パブリック・コード)の紹介と、台湾での例について英語で紹介がありました。

「パブリック・マネー、パブリック・コード」は、公的機関が公金を使ってソフトウェアを開発する場合に、それをオープンソースソフトウェアにすることを義務付ける法律の制定を求める運動です。FSFE(Free Software Foundation Europe)のキャンペーンであり、オープンソースの世界ではわりと有名で、欧州の政府への働きかけは積極的にされているようです。

フランクリンの経験として、以前監視カメラなどの会社にいた時、製品にバックドアを実装するよう依頼されたこともあるそうです。民間製品ならともかく、政府の調達では大きな問題になるでしょう。また、ベンダーロックインが問題になることもあります。ブラックボックスではソフトウェアを正しく評価することもできません。COVID-19の状況下でソーシャルディスタンスのアプリが開発された話では、仕様上はプライバシーが守られることになっていましたが、本当にそのように実装されているかはオープンソースでなければ確認できません。

PMPCの利点としては、ライセンスコストの削減、重複開発の回避、ベンダーロックインの回避、透明性と説明責任が挙げられていました。そしてオープン・スタンダードの重要性と、ODFがPMPCに適合するということでした。

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プライバシーを重視するオフィススイートユーザー向けのLibreOffice 24.8

LibreOffice banner
新しいメジャーリリースでは、豊富な新機能に加え、相互運用性の改善も大幅に向上しています。

2024年8月22日 ベルリン ― 自由なオフィススイートのボランティアサポート版「LibreOffice 24.8」がリリースされ、Windows版(Intel、AMDおよびARMプロセッサ)、macOS版(AppleおよびIntelプロセッサ)、Linux版がダウンロード可能になりました。
https://ja.libreoffice.org/download
これは、カレンダーに基づく新しいリリース番号体系(年.月)を採用した2番目のメジャーリリースであり、ARMプロセッサー・ベースのWindows PC向けの公式パッケージを提供する最初のリリースです。

LibreOfficeは、ユーザーのプライバシーを尊重する唯一のオフィススイートです。個人情報や機密情報を含む可能性のある文書を作成するのに適した唯一のソフトウェアです。ユーザーは作成したコンテンツを共有するかどうかや、誰と共有するかを決めることができます。そのため、LibreOfficeはプライバシーを重視するオフィススイートユーザーにとって最適な選択肢であり、また市場の主要製品に匹敵する機能セットを提供しています。また、伝統的なものから現代的なものまで、さまざまなユーザーの習慣に合った幅広いインターフェース・オプションを提供し、デスクトップ上の利用可能なスペースを最適化することで、さまざまなスクリーン・フォーム・ファクターを最大限に活用し、1~2クリックで最大限の機能を利用できるようにしています。

LibreOfficeの他のオフィススイートに対する最大の利点は、デスクトップ、クラウド、モバイルのすべての環境に対応する「単一の」ソフトウェアプラットフォームであるLibreOffice Technologyエンジンです。これにより、LibreOfficeはより優れたユーザー体験を提供し、2つの利用可能なISO標準であるOpen Document形式 (ODT、ODS、ODP) と、独自なMicrosoft OOXML (DOCX、XLSX、PPTX) に基づいて、同一かつ完全に相互運用可能なドキュメントを作成できます。 後者は、大量の人為的な複雑さが隠されており、真のオープンスタンダードを使用していると確信しているユーザーにとって問題を引き起こす可能性があります。

サポートが必要なエンドユーザーはLibreOffice 24.8入門ガイドがすぐに利用できるようになります。ガイドは次のリンクからダウンロードできます。