プライバシーを重視するオフィススイートユーザー向けのLibreOffice 24.8

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新しいメジャーリリースでは、豊富な新機能に加え、相互運用性の改善も大幅に向上しています。

2024年8月22日 ベルリン ― 自由なオフィススイートのボランティアサポート版「LibreOffice 24.8」がリリースされ、Windows版(Intel、AMDおよびARMプロセッサ)、macOS版(AppleおよびIntelプロセッサ)、Linux版がダウンロード可能になりました。
https://ja.libreoffice.org/download
これは、カレンダーに基づく新しいリリース番号体系(年.月)を採用した2番目のメジャーリリースであり、ARMプロセッサー・ベースのWindows PC向けの公式パッケージを提供する最初のリリースです。

LibreOfficeは、ユーザーのプライバシーを尊重する唯一のオフィススイートです。個人情報や機密情報を含む可能性のある文書を作成するのに適した唯一のソフトウェアです。ユーザーは作成したコンテンツを共有するかどうかや、誰と共有するかを決めることができます。そのため、LibreOfficeはプライバシーを重視するオフィススイートユーザーにとって最適な選択肢であり、また市場の主要製品に匹敵する機能セットを提供しています。また、伝統的なものから現代的なものまで、さまざまなユーザーの習慣に合った幅広いインターフェース・オプションを提供し、デスクトップ上の利用可能なスペースを最適化することで、さまざまなスクリーン・フォーム・ファクターを最大限に活用し、1~2クリックで最大限の機能を利用できるようにしています。

LibreOfficeの他のオフィススイートに対する最大の利点は、デスクトップ、クラウド、モバイルのすべての環境に対応する「単一の」ソフトウェアプラットフォームであるLibreOffice Technologyエンジンです。これにより、LibreOfficeはより優れたユーザー体験を提供し、2つの利用可能なISO標準であるOpen Document形式 (ODT、ODS、ODP) と、独自なMicrosoft OOXML (DOCX、XLSX、PPTX) に基づいて、同一かつ完全に相互運用可能なドキュメントを作成できます。 後者は、大量の人為的な複雑さが隠されており、真のオープンスタンダードを使用していると確信しているユーザーにとって問題を引き起こす可能性があります。

サポートが必要なエンドユーザーはLibreOffice 24.8入門ガイドがすぐに利用できるようになります。ガイドは次のリンクからダウンロードできます。
https://documentation.libreoffice.org/en/english-documentation/
日本語版はまだ古いバージョンですが、次のリンクからダウンロードできます。
https://documentation.libreoffice.org/ja/documentation-in-japanese/

さらに、ユーザーメーリングリストや質問掲示板のAsk LibreOfficeに質問を投稿して、他のボランティアユーザーからサポートを受けることもできます。
https://ask.libreoffice.org/c/japanese/16

LibreOffice 24.8の新機能

プライバシー

  • オプション [ツール] ▸ [オプション] ▸ [LibreOffice] ▸ [セキュリティ] ▸ [オプション] ▸ [保存時に個人情報を取り除く] が有効になっている場合、個人情報(作成者名やタイムスタンプ、編集時間、プリンタ名と設定、ドキュメントテンプレート、コメントや変更履歴の作成者と日付)はエクスポートされません。

Writer

  • UI: 書式設定文字の処理、コメントパネルの幅、箇条書きの選択肢、ハイパーリンク用の新しいダイアログ、サイドバーの新しい検索デッキを新たに追加
  • ナビゲーター: クロスリファレンスのドラッグ&ドロップによる追加、脚注や文末脚注の削除、リンク切れの画像の表示が可能に
  • ハイフネーション: 新しいコンテキストメニューと表示でハイフネーションから単語を除外、列・ページ・見開きに跨る新しいハイフネーション、複合語の構成要素間のハイフネーション

Calc

  • FILTER、LET、RANDARRAY、SEQUENCE、SORT、SORTBY、UNIQUE、XLOOKUP、XMATCH関数を新たに追加
  • スレッド計算のパフォーマンス向上、セル変更後の再描画の最適化(再描画が必要な領域の最小化)
  • セルフォーカスの四角形がセルコンテンツから離れて表示されるように
  • ナビゲーターの右クリックメニューからコメントの編集と削除が可能に

ImpressとDraw

  • ノーマルビューにおいて スライド間のスクロールが可能に。また、スライド下の折りたたみ可能なペインにノートが表示可能に
  • 編集画面やプレゼンターコンソールで変更を加えると、別のスクリーンで実行中のスライドショーに即座に反映されるようになりました。これは標準状態で有効化されます

グラフ

  • 新しいグラフの種類「補助円グラフ付き円グラフ」と「補助縦棒付き円グラフ」が追加され、それぞれ円グラフの一部を円または棒グラフ形式のサブチャートとして切り出すことが可能に(これにより、Microsoft Officeで作成されたOOXMLファイルからのインポートも可能に)
  • グラフのタイトル、テキストボックス、シェイプ内のテキスト(およびその一部)を文字ダイアログを使ってフォーマットできるようになりました

アクセシビリティ

  • 書式設定オプションの管理に関する複数の改善が行われ、スクリーンリーダーで適切に読み上げられるようになりました

セキュリティ

  • パスワードベースのODF暗号化機能に新しいモードが追加

相互運用性

  • OOXMLのピボットテーブル(セル)の書式のインポートとエクスポートに対応
  • カスタムシェイプを多用したPPTXファイルの読み込みがより高速に

主な新機能をまとめた動画がこちらからご覧いただけます。

LibreOffice 24.8 Communityへの貢献者


LibreOffice 24.8 Communityの新機能は171名の貢献者によって開発されました。ソースコードへの貢献の57%は、TDFのアドバイザリーボードに参加するCollabora、allotropia、Red Hatの3社やその他の組織に所属する49名の開発者によるものであり、20%はThe Document Foundationに所属する7名の開発者によるもので、残り23%は115名の個人ボランティアによるものでした。
さらに、188人のボランティアが160の言語でローカライズされた文字列をコミットしており、実際には数百人が翻訳を提供しています。LibreOffice 24.8は、他のどのオープンソースソフトウェアや独占的ソフトウェアよりも多い120の言語でリリースされており、世界中で55億人以上の人々が母語(L1)で利用できます。さらに、24億人以上の人々がそれら120言語のいずれかを第2言語(L2)として使用しています。

企業向けLibreOffice

TDFは、企業・団体へのLibreOffice導入について、エコシステムパートナーが提供する特別な付加価値を多数含んだ、LibreOffice Enterpriseファミリー(デスクトップ、モバイル、クラウド向け)の導入を強く推奨します。これらには、多くの特典が含まれ、他にもサービスレベル契約(SLA)などのメリットがあります。
https://ja.libreoffice.org/download/libreoffice-in-business/

エコシステム企業が顧客のために開発したすべてのプログラムはマスターコードリポジトリでコミュニティと共有され、LibreOffice Technologyプラットフォームを改善します。LibreOffice Technologyをベースにした製品は、Windows、macOS、Linux、Chrome OSの主要デスクトップOSをはじめ、AndroidやiOSのモバイルプラットフォーム、クラウドにも提供されています。

LibreOfficeへの移行

The Document Founrationは、企業が独占的なオフィスソフトからLibreOfficeへ移行することをサポートするための移行プロトコルを開発しました。このプロトコルは、LibreOfficeの企業向けに最適化されたバージョンのLTS(長期サポート)版導入に加えて、認定専門家により提供される移行コンサルティングとトレーニングを前提としています。
参考ページ: https://ja.libreoffice.org/get-help/professional-support/

LibreOfficeには、成熟したプログラムコード、豊富な機能、オープンスタンダードに対する強力なサポート、優れた相互運用性、そして認定パートナーによる長期サポート(LTS)オプションがあります。データのコントロールを取り戻し、ベンダーロックインから開放されたい企業にとってLibreOfficeは理想的なソリューションです。

LibreOffice 24.8 Communityの利用について

LibreOffice 24.8は以下から利用可能です
https://ja.libreoffice.org/download/

商用OSの最小要件は、Microsoft Windows 7 SP1 [1]とApple macOS 10.15です。LibreOffice TechnologyをベースとしたAndroidとiOS向けの製品についてはこちらをご覧ください。
https://ja.libreoffice.org/download/libreoffice-for-android-and-ios/

最新の機能を必要とせず、より多くのテストとバグ修正が行なわれたバージョンが必要な方のために、The Document FoundationではLibreOffice 24.2ファミリーを保守しています。これには、数カ月間に後方移植された修正が含まれています。現在のバージョンは、LibreOffice 24.2.5です

LibreOfficeユーザー、自由ソフトウエアを支持する方、コミュニティメンバーは、寄付を通じてThe Document Foundationを金銭面からサポートできます。
https://ja.libreoffice.org/donate

[1] これは、The Document Foundationがこのオペレーティングシステムの使用を推奨しているという意味ではありません。このオペレーティングシステムはMicrosoft社自身によってサポートされておらず、セキュリティ上の理由から使用すべきではありません。

リリースノート: https://wiki.documentfoundation.org/ReleaseNotes/24.8/ja

プレスキットの画像:https://nextcloud.documentfoundation.org/s/JEe8MkDZWMmAGmS

日本でのお問い合わせ先

LibreOfficeに関する日本語でのお問い合わせについては、LibreOffice日本語チーム <ja-contact@libreoffice.org> までお問い合わせください。(担当: 榎 真治/目黒 純)

このプレスリリースは、LibreOffice日本語チームにより、田中秀宗さん、須藤弘善さんの協力を得て翻訳されました。

原文のblog記事:https://blog.documentfoundation.org/blog/2024/08/22/libreoffice-248/

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