Apache OpenOfficeへの公開書簡
今日(10月13日)は、OpenOfficeのソースコードが公開されて20年になります。そして今日、私たちは言います。LibreOfficeはOpenOfficeの未来です。みんなで一緒に活動しましょう!
自由ソフトウエアやオープンソースソフトウエア・プロジェクトが、豊かで多様性があることは素晴らしいことです。世界中の何億もの人々が、それらがもたらす選択やカスタマイズによって恩恵を受けてきました。しかし、ユーザーは新しいブランドに気がつかなかったり、あるブランドの影に隠れている場合には、それが不利益になることもあります。
LibreOfficeの父とも呼べるプロジェクトのOpenOffice(.org)は、素晴らしいオフィスソフトであり世界を一変させました。そのような輝かしい歴史を持ち、後継であるApache OpenOfficeですが、2014年以来一度もメジャーリリースがありません。そうです。Apache OpneOfficeは6年以上もの間、重要な新機能の追加やメジャーアップデートはありませんでした。数えるほどのマイナーリリースだけが行われており、迅速さが求められるセキュリティの修正にも問題がありました。
ここ数年、開発活動のほぼすべてはLibreOfficeで行われており、LibreOfficeでは13のメジャーリリースと87のマイナーリリースがありました。2019年においては、LibreOfficeが15,000コミットを超えるソースコードの変更を行ったことに対し、OpenOfficeでは595しかありませんでした。LibreOfficeには活発なコミュニティと毎年開催されるカンファレンス、プロによる商用サポートサービス、開発者やLibreOffice移行技術者の認定制度、ビジネスのための強固なエコシステムがあります。
また、2020年のエンドユーザーに欠かせない機能も多数統合されています。
- .docxや.xlsxなどMicrosoft Office OOXMLへのエクスポート機能
- セキュリティを向上させるODF、OOXML、PDFへの電子署名機能
- 表計算ソフトCalcの大幅に向上したパフォーマンス
- 新しいユーザーインターフェース「ノートブックバー」の搭載
- 他にも多くの機能があります
それでも、多くのユーザーはLibreOfficeの存在を知りません。6年以上、重要なリリースがなく、ほとんど開発やサポートもされていないにもかかわらず、OpenOfficeのブランドは根強く、強力なものです。
Apache OpenOfficeが、2014年からの古い4.1のソースコードをメンテナンスしたいと思っているなら、確かにそれは古いバージョンを使いたいユーザーにとっては大事なことでしょう。しかし、2020年に行うべき最も責任のあることは、新しいユーザーを助けることです。多くの人々が必要とする機能を多数備えており、OpenOfficeをベースにした現代的かつ最新、プロによる商用サポートのあるオフィスソフトが存在することを今こそ彼らに気づかせるときです。
私たちはApache OpenOfficeに正しいことをするように呼びかけます。私たちが目指すべき目標は、パワフルで新しく、よりよくメンテナンスされた生産性ツールをできる限り多くの人々に手にしてもらうことです。そのために一緒にやりましょう!
署名
The Board of Directors at The Document Foundation
この記事は、TDF Blogの「Open Letter to Apache OpenOffice」: https://blog.documentfoundation.org/blog/2020/10/12/open-letter-to-apache-openoffice/をLibreOffice日本語チームが翻訳しました。