LibreOffice 24.2.1 Communityリリースのお知らせ
2024年2月29日ベルリン – 個人の生産性向上のための自由なオフィスソフトのボランティアサポート版、最初マイナーリリースであるLibreOffice 24.2.1 Communityが、Windows、MacOS、およびLinux向けに利用可能となりました。
https://ja.libreoffice.org/download
このリリースには、ソフトウェアの安定性と堅牢性を向上させるために、LibreOffice 24.2 [1] に対して100以上のバグとリグレッションの修正が含まれています。LibreOffice 24.2.1 Communityは、最高の機能とMicrosoft Officeの独自のファイル形式との相互運用性を提供するオフィススイートの最新バージョンです。
LibreOfficeは、市場の主要製品に匹敵する機能を備えた唯一のオープンソースのオフィスソフトです。また、伝統的なものから現代的なものまで、さまざまなユーザーの習慣に合った幅広いインターフェース・オプションを提供し、デスクトップ上の利用可能なスペースを最適化することで、さまざまな画面の機種仕様(フォーム・ファクター)を最大限に活用し、1~2クリックで最大限の機能を利用できるようにしています。
LibreOffice 24.2.1 Communityのハイライト
LibreOfficeの他のオフィススイートに対する主な利点は、デスクトップ、クラウド、モバイルなどのすべての環境に対応する「単一の」ソフトウェアプラットフォームであるLibreOffice Technologyエンジンです。この基礎構造により、LibreOfficeはより優れたユーザー体験を提供し、互換性や回復力、デジタル主権を重視するユーザー向けのオープンなドキュメント形式(ODT、ODS、ODP) と、独占的なMicrosoft OOXML (DOCX、XLSX、PPTX) の両方のISO標準に基づいて、同一かつ相互運用可能なドキュメントを作成することができます。
LibreOffice 24.2ファミリーの主な新機能
全般
- 自動回復情報の保存はデフォルトで有効になり、常にバックアップコピーを作成するようになりました。
- ノートブックバーの様々なオプションを修正し、多くのメニューの改善、印刷プレビューのサポートの改善、カスタマイズされたレイアウトの適切な再配置、ラジオボタンの使用の強化を行いました。
- 特殊文字を挿入するドロップダウンリストで、選択された文字の説明が表示されるようになりました(カーソルを置くとツールチップにも表示されます)。
Writer
- リーガル書式の順序リスト: 指定されたリストレベルのすべての数値部分にアラビア数字を使用します。
- コメントにスタイルを使用できるようになりました。デフォルトでは段落スタイル「コメント」が適用されます。
- 複数ページにわたるフローティングテーブルのサポートに関するさまざまな点が改善されました:重なりの制御、枠線および脚注、入れ子構造、全ページでの折り返し、および関連するUIの改善が含まれます。
Calc
- サイドバーの関数デッキに検索フィールドが追加されました。
- 科学的な数値フォーマットがODFでサポートされ、保存されるようになりました
- アクティブなセルに対応する行と列をハイライト表示が可能になりました。
ImpressとDraw
- Impressにおいて、小文字の処理が実装されました。
- プレゼンターコンソールとリモートコントロールの設定を、ツール > オプション > LibreOffice Impress から スライドショー > スライドショーの設定 に移動し、ラベリングとダイアログのレイアウトが向上しました。
- テンプレートに関するいくつかの改善と修正が行われました。
アクセシビリティ
- マウスの位置の取り扱いおよびプレゼンテーションダイアログボックスの表示に関するアクセシビリティAPIの改善が複数あり、これによりスクリーンリーダーが正しくそれらを提示できるようになりました。
- IAccessible2の役割とテキスト/オブジェクト属性の管理が向上し、スクリーンリーダーがそれらを正確に表現できるようになりました。
- ダイアログ内のステータスバーは正しいアクセシビリティ上の役割が報告され、スクリーンリーダーがそれらを適切に認識し報告できるようになりました。ダイアログ内のチェックボックスはスペースバーを使用して切り替え可能になりました。
セキュリティ
- 「パスワード付きで保存」のダイアログボックスにパスワードの強度メーターが装備されました。
- 性能が向上し、メタデータをより効果的に非表示にし、改ざんや総当たり攻撃に対してより強力なパスワードベースのODF暗号化が新たに導入されました。
- マクロのセキュリティ設定に関するオプションダイアログボックスのテキストが明確化され、具体的に何が許可されているか、何が許可されていないかが明確になりました。
LibreOffice 24.2ファミリーは、MS Officeと文書を共有したり、MS Officeから移行するユーザーを対象に多くの改善と新機能を提供しています。これは、デスクトップ、モバイル、クラウドでの個人の生産性向上のためのLibreOfficeテクノロジープラットフォームの高度な機能に基づいています。
新機能の詳細な説明は、リリースノート[2]で確認できます。
企業向けLibreOffice
TDFは、企業・団体へのLibreOffice導入について、エコシステムパートナーが提供する特別な付加価値を多数含んだ、LibreOffice Enterpriseファミリー(デスクトップ、モバイル、クラウド向け)の導入を強く推奨します。これらには、多くの特典が含まれ、他にもサービスレベル契約(SLA)などのメリットがあります。
https://ja.libreoffice.org/download/libreoffice-in-business/
エコシステム企業が顧客のために開発したすべてのプログラムはマスターリポジトリでコミュニティと共有され、LibreOffice Technologyプラットフォームを改善します。
LibreOffice 24.2.1 Communityの利用について
LibreOffice 24.2.1 Communityは以下から利用可能です。
https://ja.libreoffice.org/download/
商用OSの最小要件は、Microsoft Windows 7 SP1とApple macOS 10.15です。LibreOffice TechnologyをベースとしたAndroidとiOS向けの製品についてはこちらをご覧ください。
https://ja.libreoffice.org/download/libreoffice-for-android-and-ios/
最新の機能を必要とせず、より多くのテストとバグ修正が行なわれたバージョンが必要な方のために、The Document FoundationではLibreOffice 7.6ファミリーを保守しています。これには、数カ月間に後方移植された修正が含まれています。現在のバージョンは、LibreOffice 7.6.5です。
The Document Foundationは、ユーザー向けの技術サポートは提供していませんが、メーリングリストや質問掲示板のAsk LibreOfficeに質問を投稿して、他のユーザーからのサポートを受けられます。
https://ask.libreoffice.org/c/japanese/16
LibreOfficeユーザー、自由ソフトウエアを支持する方、コミュニティメンバーは、寄付を通じてThe Document Foundationを金銭面からサポートできます。
https://ja.libreoffice.org/donate
[1] RC1での修正: https://wiki.documentfoundation.org/Releases/24.2.1/RC1
RC2での修正: https://wiki.documentfoundation.org/Releases/24.2.1/RC2
[2] リリースノート: https://wiki.documentfoundation.org/ReleaseNotes/24.2/ja
この記事は、TDFブログの記事「https://blog.documentfoundation.org/blog/2024/02/29/libreoffice-24-2-1/」をLibreOffice日本語チームが翻訳しました。